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1on1の目的とは?面談との違い・効果・話すこと・やり方をわかりやすく解説

1on1の目的とは?面談との違い・効果・話すこと・やり方をわかりやすく解説

1on1の目的は、上司と部下の定期的な対話を通じて、部下の自律的な成長を支援することです。

評価や進捗確認を行う面談とは異なり、部下が主役となって悩みや考えを話し、次の行動を自ら決める場として運用します。

本記事では、面談との違いを踏まえて部下に目的を説明するポイントや、準備から振り返りまでの進め方を解説。話題に困らず、形だけで終わらない1on1を次回から実践しやすくなるようテーマ別の質問例や「意味ない」と思われるNG例もまとめました。

1on1とは?どんな目的で行うの?

1on1とは?どんな目的で行うの?

1on1とは、上司と部下が1対1で定期的に行う対話の場であり、部下の成長を支援することを主な目的としています。

評価や進捗管理を中心とする従来の面談とは異なり、部下が自分の考えや悩みを話し、上司がそれを引き出す点が特徴です。ここでは、1on1の定義と目的、誰のための時間なのかを順に解説します。

1on1とは上司と部下が1対1で行う対話

1on1とは、上司と部下が1対1で定期的に行う対話型のミーティングです。

一般的には週1回〜月1回程度、1回15〜30分程度の短い時間で、高い頻度で実施するケースが多く見られます。

年に数回の評価面談とは異なり、日常業務の悩みやキャリアの考え、心身のコンディションなど、幅広いテーマを扱える点が特徴です。

決まった議題を報告する会議ではなく、その時点で部下が話したいことを中心に進めます。

リモートワークの普及や働き方の多様化によって上司と部下の対話機会が減るなか、1on1は関係づくりと人材育成を両立できる手法として注目されています。

出典:厚生労働省「こころの耳|1on1」

1on1の目的は部下の成長を支援すること

1on1の主な目的は、部下が自ら考え、成長できるよう支援することです。

上司が答えや指示を与えるのではなく、部下が自分の経験を振り返り、次にどう行動するかを考える機会をつくります。

仕事の経験から学ぶ考え方の一つに、Kolb(コルブ)の経験学習モデルがあります。「経験する→振り返る→教訓を得る→次に試す」というサイクルを繰り返し、経験を次の行動に活かしていく考え方です。

しかし、日々の業務に追われていると振り返りの時間はとりにくいものです。1on1は、このサイクルを上司と一緒に回すための時間として機能します。

業務報告や進捗確認だけで終わる場ではない点も押さえておきましょう。部下の思考力や課題解決力が高まれば、チームや組織全体の力の向上にもつながります。

出典:文部科学省「『令和の日本型学校教育』を担う教師の在り方特別部会・初等中等教育分科会教員養成部会 合同会議」

1on1の主役は「部下」であることが重要

1on1は上司のための時間ではなく、部下のための時間です。

「1on1は誰のためのものか」と問われたときに、部下のためと答えられることが、1on1を意味のある時間にする前提になります。

上司が中心になって話すと、指示や説教の場になり、部下は本音を話しにくくなります。上司の役割は、質問や傾聴を通じて部下の考えを引き出し、頭の中を整理する手助けをすることです。

もちろん、上司にとっても部下の状況や考えを把握できるメリットはあります。ただし、あくまで部下が話したいテーマを優先し、上司は聞き役に回るという基本姿勢を忘れないようにしましょう。

1on1を行うメリットと期待できる効果

1on1を行うメリットと期待できる効果

1on1を継続的に行うと、上司と部下の関係づくりから部下の成長、職場環境の改善まで、幅広い効果が期待できます。主なメリットは次の4つです。

  • 上司と部下の信頼関係を築きやすくなる
  • 部下の成長や自発的な行動につながる
  • 悩みや課題に早く気づける
  • モチベーションや働きやすさの向上につながる

いずれも1回の実施ですぐに表れるものではなく、定期的な対話を積み重ねることで少しずつ見えてくる効果です。

それぞれ詳しく解説します。

上司と部下の信頼関係を築きやすくなる

1on1を重ねることで上司と部下の相互理解が深まり、信頼関係を築きやすくなります。

日常業務では業務連絡や報告のやりとりが中心になり、お互いの考えや価値観を知る機会はあまり多くありません。

定期的に1対1で話す時間があると、部下は「この上司は自分の話を聞いてくれる」という安心感を持ちやすくなります。

こうした安心感は、意見や懸念を率直に伝えやすい心理的安全性(対人関係上のリスクがある発言をしても、拒絶されたり罰せられたりしないと感じられる状態)にもつながります。

出典:厚生労働省「社会保障審議会年金事業管理部会 資料」

部下の成長や自発的な行動につながる

1on1で自分の経験を言葉にして振り返ることで、部下は自ら考えて行動する力を身につけやすくなります。

上司から答えを与えられるのではなく、「なぜうまくいったのか」「次はどうするか」を自分で考えるプロセスが、主体性を育てるためです。

変化の激しい環境では、指示を待つのではなく、状況に応じて判断し動ける人材が求められています。1on1は、そうした自律的な人材を育てる場として注目されています。

また、上司からのフィードバックを定期的に受けることで、部下は自分の強みや課題を客観的に把握できます。成長を実感できれば、次の挑戦への意欲にもつながるでしょう。

悩みや課題に早く気づける

1on1を定期的に行うと、部下の悩みや業務上の課題に早い段階で気づけるようになります。

業務量の偏りや人間関係のトラブル、仕事への不安などは本人から言い出しにくく、表面化したときには深刻化しているケースも少なくありません。

1対1の落ち着いた場があれば、チームの前では話しにくい小さな違和感も共有しやすくなります。上司は問題が大きくなる前にフォローしたり、業務の配分を見直したりできるでしょう。

チーム内で起きている連携の不具合やボトルネック(業務が滞る原因となっている箇所)を把握するきっかけにもなり、組織全体の生産性向上にも役立ちます。

モチベーションや働きやすさの向上につながる

1on1は、部下のモチベーションや働きやすさの向上にもつながります。

自分の考えやキャリアの希望を上司に聞いてもらえる機会があると、「会社から大切にされている」と感じやすくなるためです。

部下がやりたい仕事や伸ばしたい強みを上司が把握していれば、業務のアサインや育成方針にも反映しやすくなります。仕事の意味や成長の方向性が見えることで、日々の業務に前向きに取り組めるようになるでしょう。

キャリア意識が多様化するなかで、個々の思いに向き合う1on1は、エンゲージメント(会社への愛着や貢献意欲)を高め、人材の定着を後押しする取り組みとしても期待されています。

1on1と面談の違い|目的や話す内容を比較

1on1と面談の違い|目的や話す内容を比較

1on1と一般的な面談(人事評価面談など)の大きな違いは、目的と主役にあります。

面談は上司主導で評価や目標管理を行う場であるのに対し、1on1は部下が主体となり、成長支援や信頼関係の構築を目指す対話の場です。

主な違いを表で整理します。

項目 1on1 一般的な面談(評価面談など)
目的 部下の成長支援・信頼関係の構築 人事評価、目標の設定・達成度の確認
主体 部下 上司(会社)
話す内容 業務の悩み、キャリア、心身の状態など幅広い 業績、評価結果、目標など業務が中心
実施頻度 週1回〜月1回程度 半年〜1年に1回程度

評価に関する話題が中心になると、部下は「評価に響くかもしれない」と考え、本音を話しにくくなります。

1on1と評価面談では目的が異なるため、それぞれの役割を分けて運用すると、部下も1on1を評価の場と捉えにくくなります。

1on1はどう進める?基本的なやり方

1on1はどう進める?基本的なやり方

1on1は、事前準備から振り返りまでの流れを決めておくと、毎回の対話を次の行動につなげやすくなります。

基本的な進め方は次の5ステップです。

  1. 事前に話すテーマを決めておく
  2. 最初に近況や状態を確認する
  3. 部下の話を聞きながら課題や考えを整理する
  4. 次に取り組むことを一緒に決める
  5. 話した内容を振り返り次回につなげる

初めて1on1を実施する場合も、この流れに沿って進めれば対話が脱線しにくくなります。

ステップごとのポイントを順に解説します。

1. 事前に話すテーマを決めておく

1on1を実りある時間にするには、事前に話すテーマを決めておくことが大切です。

テーマが決まっていないと、何となく雑談をして終わったり、上司が思いつきで話題を振ったりしがちです。

テーマは上司が決めるのではなく、部下が話したいことを基本にします。「最近困っていること」「相談したいこと」などを事前に共有してもらうと、部下自身も話す内容を整理した状態で臨めます。

あわせて、日時や頻度、1回あたりの時間もあらかじめ固定しておきましょう。定例として予定に組み込んでおくと、業務の忙しさを理由に後回しになるのを防げます。

2. 最初に近況や状態を確認する

1on1の冒頭では、近況や心身の状態を確認するところから始めます。

いきなり本題に入るよりも、「最近どう?」「今週は忙しかった?」といった軽い会話で緊張をほぐしたほうが、部下は話しやすくなります。

この段階では、疲れていないか、業務量に無理がないかなど、コンディションにも目を向けましょう。表情や声のトーンから、言葉にしていない変化に気づけることもあります。

ただし、アイスブレイク(場の緊張をほぐすための導入の会話)が長くなりすぎると、本題の時間が足りなくなります。数分程度を目安にし、事前に共有したテーマへ自然に移るよう意識してください。

3. 部下の話を聞きながら課題や考えを整理する

本題では、部下の話を聞きながら課題や考えを整理することに集中します。上司はすぐに答えを出そうとせず、部下が何に困っているのか、どうしたいと考えているのかを丁寧に聞き取りましょう。

「具体的にはどんな場面で?」「原因は何だと思う?」といった質問を重ねると、部下自身が状況を客観的に捉えやすくなります。話が広がりすぎた場合は、「今日はどの点を一番話したい?」と焦点を絞るのも有効です。

現状と理想の差を明らかにし、何が課題なのかを部下自身の言葉で整理できれば、次に取るべき行動も見えやすくなります。上司の意見を伝えるのは、部下の考えを十分に聞いたあとにしましょう。

4. 次に取り組むことを一緒に決める

話を整理できたら、次に取り組む行動を部下と一緒に決めます。対話だけで終わると、1on1の内容が日々の業務に活かされず、「話しただけ」の時間になりやすいためです。

行動内容は、上司が指示するのではなく、部下が自分で考えて決めるのが基本です。上司は「そのために何が必要?」「いつまでにできそう?」と問いかけ、具体的で実行可能な内容になるよう手助けします。

大きな目標を一度に掲げるより、次回の1on1までに取り組める小さな行動に落とし込むのがポイントです。上司がサポートできることがあれば、その場で約束しておくと部下も動きやすくなるでしょう。

5. 話した内容を振り返り次回につなげる

1on1の最後には、話した内容を振り返り、次回につなげることが大切です。

終了前に、話したテーマや決めた行動を簡単に確認し、お互いの認識にずれがないかをすり合わせましょう。

話した内容や決まったことは、記録として残しておくと便利です。1on1用のメモやシートを使えば、次回の冒頭で「前回決めたことはどうだった?」と振り返れます。

記録が積み重なると、部下の成長や変化を長い期間で捉えやすくなります。前回からの変化についてフィードバックを伝えれば、部下も成長を実感でき、1on1が単発で終わらないつながりのある取り組みになります。

1on1をうまく進めるためのコツ

1on1をうまく進めるためのコツ

1on1を形式的な時間にしないためには、部下が安心して話せる環境を上司がつくることが欠かせません。

特に意識したいポイントは次の4つです。

  • 1on1の目的を部下と共有する
  • 上司が話しすぎず部下の話を聞く
  • 質問を使って部下の考えを引き出す
  • 1on1を継続して行う

進め方の手順だけでなく、上司の関わり方や運用の仕方も1on1の成果を大きく左右します。

それぞれのポイントを具体的に解説します。

1on1の目的を部下と共有する

1on1を始める前に、1on1の目的を部下と共有することが重要です。

目的を知らされないまま1on1が始まると、部下は「評価されるのでは」「監視されているのでは」と警戒し、本音を話しにくくなります。

「1on1はあなたの成長を支援するための時間で、評価とは切り離している」と最初に伝えておくと、部下は安心して臨めます。人事部門が主導して導入する場合は、全社や部署単位で目的を明文化し、管理職と社員の双方に説明しておくとよいでしょう。

目的が共有されていれば、話すテーマも自然と部下の成長や悩みに向かい、1on1の方向性がぶれにくくなります。

上司が話しすぎず部下の話を聞く

1on1では、上司が話しすぎず、部下の話を聞くことを意識しましょう。

目安として、上司が2割、部下が8割程度話すバランスを意識すると、部下が十分に話せる時間を確保しやすくなります。

上司は経験が豊富なぶん、つい助言や自分の体験談を話したくなるものです。しかし、上司が話す時間が長くなるほど、部下が考えたり本音を伝えたりする時間は減ってしまいます。

部下の話を途中でさえぎらず、相づちやうなずきで最後まで聞く傾聴の姿勢が大切です。部下の言葉を繰り返したり要約したりすると、「きちんと聞いてもらえている」という安心感が生まれ、より深い話を引き出しやすくなります。

出典:株式会社Kakedas「『社内1on1』に関する実態調査」

質問を使って部下の考えを引き出す

部下の考えを引き出すには、オープンクエスチョンを活用することが効果的です。

オープンクエスチョンとは、「はい・いいえ」では答えられず、相手が自由に答えられる質問を指します。

たとえば「順調?」と聞くと「はい」で終わりがちですが、「最近の仕事で手応えを感じたことは?」と聞けば、部下は具体的な出来事を思い出しながら話せます。「どうしてそう思う?」「ほかにどんな方法がありそう?」と掘り下げる質問も有効です。

ただし、「なぜできなかったの?」のように責める印象を与える聞き方は避けましょう。部下が自分で答えにたどり着けるよう、前向きな問いかけを心がけることがポイントです。

1on1を継続して行う

1on1の効果を得るには、単発で終わらせず継続して行うことが欠かせません。

信頼関係の構築や部下の成長は、1回の対話で実現するものではないためです。

忙しい時期に1on1を後回しにしたり、直前でキャンセルしたりすると、部下は「自分との時間は優先度が低い」と受け取ってしまうかもしれません。やむを得ず延期する場合は、代わりの日程をすぐに設定しましょう。

無理なく続けるには、頻度や時間を現実的な範囲で設定することも大切です。最初から毎週30分とせず、隔週15分から始めるなど、職場の状況に合わせて調整すると定着しやすくなります。

1on1では何を話す?テーマ・話題の具体例

1on1では何を話す?テーマ・話題の具体例

1on1で何を話せばよいか迷う場合は、業務・キャリア・成長・人間関係・健康の5つの観点からテーマを選ぶと整理しやすくなります。

テーマごとの質問例をまとめました。

テーマ 質問例
仕事の進み具合や困っていること 「今いちばん時間がかかっている業務は?」
今後の目標やキャリア 「3年後にどんな仕事をしていたい?」
成長したいこと・身につけたいスキル 「もっとできるようになりたいことは?」
職場の人間関係やチーム 「チームで困っていることはある?」
体調やストレス 「業務量に無理はない?」

毎回すべてのテーマを扱う必要はありません。

部下の状況や話したい内容に合わせて、1回の1on1で1〜2つ程度に絞ると深く話しやすくなります。

仕事の進み具合や困っていること

もっとも取り上げやすいテーマが、仕事の進み具合や困っていることです。

進行中の業務やプロジェクトについて、うまくいっている点とつまずいている点を部下自身に話してもらいます。

ただし、進捗の報告を受けるだけでは通常の業務報告と変わりません。「どこで時間がかかっている?」「上司としてサポートできることはある?」などと問いかけ、課題の背景や部下が必要としている支援まで掘り下げることが大切です。

「最近うまくいった仕事は?」と成功体験に目を向けると、部下の強みや工夫を知るきっかけにもなります。

困りごとと成果の両面から話を聞くことで、前向きな対話になりやすくなるでしょう。

今後の目標やキャリアについて

今後の目標やキャリアも、1on1で扱いたい重要なテーマです。

日常業務の会話では、部下が将来どのような仕事をしたいのか、どんなキャリアを描いているのかを聞く機会はあまりありません。

「3年後にどんな仕事をしていたい?」「興味のある分野はある?」といった質問で、部下の希望や価値観を引き出しましょう。

本人がまだ明確な答えを持っていない場合は、今の仕事でやりがいを感じる瞬間を振り返ってもらうと考えを整理しやすくなります。

部下のキャリア志向を把握できれば、業務の割り振りや育成計画にも反映しやすくなります。目標と日々の業務がつながっていると感じられることは、部下のモチベーションにも影響するでしょう。

成長したいこと・身につけたいスキル

成長したいことや身につけたいスキルについて話すことは、部下の成長支援に直結します。

部下がどのような能力を伸ばしたいと考えているのかを知れば、上司は具体的な支援策を一緒に考えられます。

たとえば「今の業務で自信がついてきたことは?」「もっとできるようになりたいことは?」と尋ねると、部下の強みと課題の両方が見えてきます。そのうえで、研修の受講や新しい業務への挑戦など、成長につながる機会を提案するとよいでしょう。

上司から見た部下の強みを伝えることも有効です。

自分では気づいていない長所を知ることで、部下が自信を持って次の挑戦に取り組むきっかけになります。

職場の人間関係やチームについて

職場の人間関係やチームの状況も、1on1ならではのテーマです。

チームメンバーとの関係や連携の悩みは、ほかの人がいる場ではなかなか口に出しにくいものです。

「チームで働きやすいと感じる点、困っている点は?」「ほかの部署とのやりとりで気になることはある?」などと聞くと、部下の目線から見たチームの課題を把握できます。上司が気づいていなかった業務フローの問題が見えてくることもあるでしょう。

人間関係の悩みを聞いた場合は、特定の人を責める方向に話を進めないよう注意が必要です。部下の気持ちを受け止めたうえで、どうすれば働きやすくなるかを一緒に考える姿勢で向き合いましょう。

体調やストレスなど働くうえで気になること

1on1では、体調やストレスなど働くうえで気になることにも目を向けましょう。

心身のコンディションは仕事の成果や意欲に大きく影響しますが、部下が自分から相談するのは難しい場合があります。

「最近、疲れがたまっていない?」「業務量に無理はない?」と定期的に声をかけるだけでも、部下は不調を伝えやすくなります。残業が続いている、表情が暗いなど気になる様子があれば、早めに業務量の調整を検討してください。

ただし、健康状態を根掘り葉掘り聞き出す必要はありません。本人が話したくない内容には踏み込まず、必要に応じて産業医や人事担当者などの専門窓口につなぐことも大切です。

「意味ない・やめてほしい」と思われる1on1

「意味ない・やめてほしい」と思われる1on1

1on1が「意味ない」「やめてほしい」と思われる原因の多くは、上司の進め方や運用方法にあります。

部下に負担や不満を感じさせやすい1on1の例と、避けるためのポイントは次のとおりです。

NG例 避けるためのポイント
上司が一方的に話す 聞き役に徹し、部下が話す時間を確保する
毎回雑談だけで終わる 事前にテーマを決め、次の行動まで話し合う
目的が曖昧なまま続ける 目的を部下と共有し、定期的に見直す
プライベートに踏み込みすぎる 部下が自分から話した範囲にとどめる
業務の負担になるほど頻繁に行う 頻度や時間を業務状況に合わせて調整する

自社の1on1が当てはまっていないか、確認しながら読み進めてください。

上司が一方的に話す

上司が一方的に話す1on1は、部下がもっとも負担を感じやすいパターンです。

業務の指示や説教、上司の体験談ばかりが続くと、部下は「話を聞かされるだけの時間」と感じてしまいます。

上司に悪気がなくても、アドバイスのつもりが一方的な指導になっているケースは少なくありません。部下が話し始めてもすぐに結論や正解を示してしまうと、部下は自分で考える機会を失い、次第に本音を話さなくなるでしょう。

1on1の最中に、自分と部下のどちらが多く話しているかを意識してみてください。部下の発言が少ないと感じたら、質問を投げかけて待つ時間を増やすことが改善の第一歩になります。

毎回雑談だけで終わる

毎回雑談だけで終わる1on1も、部下に「意味がない」と思われやすい例です。

雑談は緊張をほぐすうえで役立ちますが、それだけで時間が終わると、部下は忙しいなかで時間を割く価値を感じられません。

雑談化の主な原因は、話すテーマが決まっていないことやネタ切れです。事前にアジェンダ(話し合う議題)を共有してもらう、直近の業務を棚卸しする、前回決めた行動の進み具合を確認するといった工夫で防げます。

雑談から部下の関心や悩みが見えることもあるため、雑談自体を否定する必要はありません。

冒頭の数分にとどめ、本題や次の行動の話し合いにつなげる流れを意識しましょう。

目的が曖昧なまま続ける

目的が曖昧なまま続ける1on1は、次第に形骸化していきます。

「会社で決まったから」という理由だけで実施していると、上司も部下も何を話せばよいかわからず、義務的な時間になりがちです。

目的が共有されていない状態では、部下が1on1を評価や監視の場と誤解することもあります。そうなると、当たり障りのない話しかできなくなってしまいます。

導入時に目的を伝えるだけでなく、数か月に一度は「1on1が役に立っているか」「進め方で変えたほうがよい点はあるか」を部下と話し合うと効果的です。目的と実態のずれを定期的に見直すことで、意味のある時間を保ちやすくなります。

プライベートに踏み込みすぎる

プライベートに踏み込みすぎることも、1on1を嫌がられる原因になります。

家族や交際関係、休日の過ごし方などを詳しく聞かれると、部下は不快に感じたり、答えにくさを覚えたりするものです。

上司が親しみを込めたつもりでも、受け取り方によってはハラスメントと捉えられるおそれがあります。上司と部下という立場の違いがあるなかでは、部下は質問を断りにくい点にも注意が必要です。

プライベートの話題は、部下が自分から話した範囲で受け止めるのが基本です。仕事に影響する事情がある場合も、無理に詳細を聞き出さず、どのような配慮があれば働きやすいかを確認するにとどめましょう。

業務の負担になるほど頻繁に行う

業務の負担になるほど頻繁に行う1on1は、上司と部下の双方にとって逆効果になりかねません。

忙しい時期に長時間の1on1が続くと、部下は「業務の時間が削られる」と感じ、上司も準備や記録に追われてしまいます。

特に多くの部下を抱える管理職の場合、全員と毎週1on1を行うと大きな負担になります。部下の状況に応じて頻度を変えたり、1回の時間を短くしたりと、柔軟に調整しましょう。

1on1専用のメモや記録シート、支援ツールを活用すれば、準備や振り返りの手間を減らせます。無理のないペースで続けることが、結果的に1on1の効果を高めることにつながります。

まとめ|1on1の目的を理解して意味のある時間にしよう

1on1の目的は、上司と部下の対話を通じて部下の成長を支援することです。

評価や進捗確認の場ではなく、部下が主役となって悩みや考えを話し、次の行動を自ら決める時間として運用することが重要です。

  • 1on1は部下が主役となる定期的な対話の場
  • テーマ設定から振り返りまでの流れを決めて進める
  • 上司は聞き役に回り、質問で部下の考えを引き出す
  • 目的を部下と共有し、無理のないペースで継続する

まずは自社で1on1の目的を言葉にし、部下に説明するところから始めてみてください。

また、1on1で築く上司と部下の「縦」の関係に加えて、部署を越えた「横」のつながりをつくることも、相談しやすい職場づくりに役立ちます。

社内交流の場づくりもあわせて検討したい場合は、「ツドウ・バ」も選択肢の一つとしてご検討ください。

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1on1についてのよくある質問

1on1で部下から「特に話すことはありません」と言われた場合はどうすればよいですか?

無理に話題を作らせるのではなく、直近の仕事で困っていることや、うまくいったことなど答えやすい質問から始めましょう。前回の1on1で決めた行動を振り返るのも一つの方法です。部下が話したいことを中心にしつつ、考えを整理するきっかけを上司がつくることが大切です。

1on1を嫌がる部下にはどのように対応すればよいですか?

まず、1on1が評価や監視のためではなく、部下の成長や悩みを支援するための時間であることを説明しましょう。目的が伝わらないまま実施すると、部下が警戒して本音を話しにくくなる場合があります。進め方や頻度について本人の意見を聞き、負担にならない形へ調整することも重要です。

1on1の内容は記録しておいたほうがよいですか?

話したテーマや次に取り組むことは、簡単に記録しておくと次回の振り返りに活用できます。ただし、何でも細かく記録するのではなく、次回確認したい内容や決まった行動を中心に残すと使いやすくなります。記録を継続することで、部下の変化や成長も追いやすくなります。 1on1

1on1の頻度は部下ごとに変えてもよいですか?

部下の状況や業務量に応じて調整して構いません。毎週実施すること自体が目的ではなく、無理なく継続できることが重要です。忙しい時期や担当人数が多い場合は、時間を短くしたり頻度を調整したりして運用しましょう。 1on1

部下が多い管理職でも全員と1on1を行うべきですか?

全員に同じ頻度・時間で実施する必要はありません。部下の人数や業務状況を踏まえ、継続できる頻度に調整することが大切です。短時間で実施したり、部下の状況によって頻度を変えたりするなど、形だけの1on1にならない運用を優先しましょう。 1on1

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