若手は本当に職場の雑談・飲み会が嫌いなのか|職場コミュニケーションの実態をデータで解説
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こんにちは、株式会社ROOKIEの堀内です。
「うちの若手は飲み会が嫌いだから、社内交流が難しい」
管理職や人事担当者の方と話すと、こういった声をよく耳にします。確かにデータを見ると、飲み会に対するネガティブな感情は存在します。ただ、その中身を丁寧に見ていくと、少し違う景色が見えてきます。
飲み会へのネガティブ感情は確かにある
飲みニケーションが「いらない」と答えた社会人は6割を超えます。(ネクストレベル2024年)
(ちなみに本調査によると、年代別にあまり差はなく、若者だけが飲み会を忌避している、というわけではない模様)

出典:ネクストレベル(2024年)
こうした数字だけを見れば、やはり飲み会は終わった文化だ、という結論になりそうです。ただ、嫌いな理由を掘り下げると、少し違う景色が見えてきます。
嫌いなのは「あの飲み会」
では、飲みニケーションが不要だと考える理由を見てみましょう。
1位は「気を遣う」(61.8%)。特に上司や役職者がいる場では、席順・お酌・会話の内容に気を配らなければならないこともあるでしょう。リラックスどころか、ある種の業務に近い緊張感が走ります。2位は「業務時間外だから」(47.4%)、3位は「お金がかかるから」(40.7%)。

出所:ネクストレベル(2024年)
つまりまとめると、「プライベートな時間で長い時間と出費を強いられ、上司に過度に気を遣う飲み会は嫌だ」というところでしょうか。
しかし、交流は求めている
一方、こんなデータもあります。
マイナビの調査では、20代社員の64%が職場の人との非公式(業務外)の交流を望んでいます。その理由として、「相談や助け合いがしやすくなるから」(51%)「組織内の雰囲気を良くしたいから」(49%)「雑談があると安心感があるから」(43%)を挙げています。出所:マイナビ キャリアリサーチLab

また、若手ほど職場の忘年会への参加意欲が高いという調査も存在します。その理由を見ると、やはり周囲との関係構築を求めていることが伺えます。

出所:Job総研「忘年会意識調査(2025年)」
職場への期待についても同様の傾向が読み取れます。リクルートマネジメントソリューションズの新入社員意識調査2025では、就職先を選ぶうえで最も重視したことの1位が「働いている人が魅力的・職場の人間関係がよい」(39.4%)でした。また、SMBCコンサルティングの新入社員意識調査(2024)では、先輩・上司に求めることの1位は「積極的にコミュニケーションを取ってくれること」(55%)です。
つまり、職場の人と交流すること自体を嫌っているのではないです。
「誘わない上司」と「誘って欲しい若手」
第一三共ヘルスケアの調査では、若手ほど「飲み会に誘うのではなく、誘われるタイプだ」という傾向が強くなっています。誘われた時は65%が嬉しい・やや嬉しいとポジティブな回答です。

出所:第一三共ヘルスケア
では、上司側はどうでしょうか?パーソル総合研究所の調査では、ハラスメントリスクを回避するため、上司の約8割が「部下を飲み会やランチに誘わないようにしている」と回答しています。
つまり、「誘ったらパワハラになるのではと萎縮して誘わない(誘えない)上司」と「誘われない・コミュニケーションが少ないと失望している若手」というねじれが生じているのです。
職場コミュニケーションが減ると、何が起きるか
この状況を放置すると、組織にじわじわとダメージが蓄積します。パーソルキャリアの調査によると、職場で孤独を感じる割合は2020年の27%から2025年には67%にまで増加しています。

出所:パーソルキャリア「職場の孤独意識調査」(2025年)
こうした孤独感が及ぼす影響は、不安・ストレスを感じやすい(40%)、職場への帰属意識低下(38%)、モチベーションの低下(37%)に繋がります。
こうしたコミュニケーション不足は、個人の感情的な問題にとどまりません。部門内・部門間で情報がスムーズに流れない、柔軟に連携できない。結果、プロジェクトが中々前に進まない。ひとりひとりのパフォーマンス低下のみならず、組織として動けない状態が生まれていきます。
必要なのは、今の時代にあった職場コミュニケーションの形
みんなが好きでない「あの飲み会」を復活させるべきと言っているわけではありません。しかし、ここまで見てきたように、交流自体を減らしては様々な問題が発生します。
今の若手は飲み会が嫌いだから交流は難しい、という前提を一度疑ってみてください。問題は若手の意識ではなく、交流の方法にあるのかもしれません。従来型の飲み会の「形式」を改良し、交流という「目的」だけを残す。それが今の時代に求められている交流の設計なのです。
今の時代に合った交流設計:原則と実践
データが示すのは、「交流そのものへの拒否」ではなく「従来型の飲み会形式への不満」です。とすれば、「交流」という目的を残しつつ、形式を更新するのが筋の通った解決策です。
原則①:目的を明確にする
「とりあえず飲もう」という形式ではなく、「この機会でどんな交流をするか、何を得るか」を設計段階で決めておくことが大切です。「普段関わりの少ない他部署の人と話す」「新入社員を歓迎して職場に慣れてもらう」「チームで気軽に話せる場を作る」など、目的が明確であれば参加者も過ごし方がわかり、場の質が上がります。
原則②:参加ハードルを下げる
ネガティブ感情の上位3つ(過度に気を遣う・時間が長い・費用がかかる)はすべて参加コストの問題です。上司と部下だけにしない工夫をする、あらかじめ時間を決めて切り上げる、費用補助制度を設ける、その上で参加は任意にする、といった設計で取り除けます。
「来なかった人が損をする」構造を作らないことが重要です。それを感じた瞬間、参加は義務になり交流は形骸化します。
① 少人数ランチ会(費用補助あり)
3〜5名の少人数で昼食をともにする形式。昼休みを使うことで参加ハードルが下がり、少人数であることで気を遣う緊張感も和らぎます。
② テーマ設定型の社内イベント
「マニアックな趣味を発表する会」「体を動かして交流する会」など、テーマを設定することで参加者が過ごし方に困らず、自然な会話が生まれます。結果、初対面同士でも自然と交流ができます。
③ 社内コミュニティ・部活動の設立
スポーツ・読書・ゲームなど共通の興味を持つ社員が集まるコミュニティを会社が公式に認定・支援する仕組みです。
関連記事:この記事では若手社員の雑談・飲み会への向き合い方に絞って解説しました。職場コミュニケーション全体の課題や改善策を整理して知りたい方は、職場コミュニケーションの全体解説記事もあわせてご覧ください。
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