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横断PJを乗り越えた社内コミュニケーションの力|大企業で気づいたつながりの重要性

部門横断プロジェクトで社内コミュニケーションが生まれるイメージ

社内コミュニケーションの土台が、横断プロジェクトの成否を分ける。

こんにちは、株式会社ROOKIEの堀内です。
前回は、コンサルタントとして支援したメーカーで、関係者が本音を言えず、プロジェクトが遠回りした話を書きました。
「社内なのに言えない」のではなく、「社内だからこそ言えない」ことが大企業にはある、という話です。

第2回は、私自身のトヨタ時代の経験をお話しします。

新型車立上げの半年間

入社して数年が経った頃、私はとある車種のフルモデルチェンジプロジェクトを担当することになりました。
最重要車種の一つであり、社内での注目度は非常に高いものでした。

技術部、商品企画部、バリューチェーン、広報部、生産管理部、地域担当員、そして全国の販売店。関わる部署と人数は膨大で、それらと連携しながらプロジェクトを推進するのが私の役割でした。

スケジュールはハードでした。
大企業ならではの多数の会議・決裁(関係者が多いので多少は仕方ない)をこなしながら、記者発表会などのマーケティング・広報施策、営業施策、そして生産調整と、新型車立上げ前後の半年間は、目が回るような忙しさでした。

それでも私は、精神的に追い詰められることはほとんどありませんでした。
当時はただ必死でしたが、あの半年間を今振り返ると、一つの答えにたどり着きます。

一人でやれることは、限られている

大型プロジェクトを回す上で、まず認識しなければならないことがあります。

一人でやれることには、明確な限界がある。

日々ありとあらゆる問題が発生し、タスクが積み重なる中で、それを一人でさばこうとすれば、いずれ必ず限界が来ます。
あの中で私が乗り越えられたのは、業務を一人で抱え込まず、周囲にお願いできたからだと思っています。

これは単にお願い上手な性格だった、という話ではありません。
人に頼れるかどうかは、性格だけの問題ではなく、関係性の問題です。

「お願いできる人」がいた

一般的にJTCでは部門の壁が厚く、他部署に仕事を頼むのはそう簡単ではありません。

他部署に何かを依頼しようとすると、自部署の上長の承諾を得る→そこから相手の担当者に会議設定を依頼する→両部の上長を含めて会議で依頼する→相手が部署内で確認を取る→そこから動き始める、とこれだけでかなりの時間がかかります。

もちろん、大きな依頼事項はこのような手続きを取るべきなのかもしれませんが、全ての確認や依頼を全てこのようなプロセスで実施していては、時間がいくらあっても足りません。
結果、仕事がスムーズに回らなくなり、体力的にも精神的にも追い込まれていくのです。

こうした時、各部の担当者と人間関係を構築できているかどうかで、状況は大きく変わります。
「ちょっとご相談があって、、、」と相手の担当者やその上長に軽く(アングラで)お願いができれば、上記のプロセスは何分の1になります。

また、仮に普段業務で関わりがない部署で、担当者と繋がりが無い場合は、その部署の別の知り合いを経由して、最初の打合せをセットしてもらったことも何度もあります。

私の部署もそうでしたが、大抵どの部署でも昼休みや雑談の場で、上司や先輩を交えて自分の仕事の状況や課題について話をしています。
そうした時、「あの車を担当している堀内は同期です。」とか、「この前一緒に飲みました。」みたいに他部署で少しでも話題に挙がるだけで、その上長は少し協力的になってくれるものです。

人は誰しも、知り合いの知り合いには親切にするのです。
知り合いがいるということは、その先にまで波及するのです。

社内コミュニケーションの土台はどう作られたか

では私は、なぜ各部署に知り合いがそれなりにいたのでしょうか?
理由は単純で、社内の飲み会によく参加していたからです。

1年目の頃から、部署の飲み会には必ず参加していました。そこで上司や先輩と仲良くなると、次は有志の飲み会に声をかけてもらえるようになる。そこで他部署の先輩と出会い、また別の飲み会に呼ばれ、、と徐々に知り合いが増えていく。
気がつけば、複数の部署に顔の知れた人間が何人もいる状態になっていました。

何も友達のように仲良くなる必要はありません。ただ、0と1の差はあまりに大きい。
初めましての人と、一度でも飲み会(飲み会に限らず仕事以外の場で)で話したことがある人とでは、関係性が全く違います。

JTCには、一見ぶっきらぼうに見えても、根は良い人が多いです。一度砕けた話をした相手から仕事を頼まれると、力になりたいと思うのが人間です。

(※このブログを書いている際、久しぶりに「1兆ドルコーチ ~シリコンバレーのレジェント ビル・キャンベルの成功の教え」を思い起こしました。チームメンバーが互いを信頼し、心理的安全性が高いチームが高い生産性を発揮すること。チームの連帯感を高めるために、スタッフミーティングは旅の報告など仕事以外のプライベートな話題から始めること。)

私は決して「仕事をしやすくするために」と計算して飲み会に参加していたわけではありません。
ただ結果として、それが横断プロジェクトを乗り越える土台になっていたのは間違いない事実です。
最後に、当時の上司からもらった言葉を紹介して締めようと思います。

「”嫌だな”と思う飲み会には行かなくて良い。ただ、”面倒だな”と思う飲み会には行っておけ」

 

嫌いな人と無理に飲む必要はない。しかし「なんとなく億劫だな」という程度であれば、行ってみる価値はある。そこで生まれた一つの縁が、後々大きな意味を持つことがあるということです。

つながりは設計できる

個人の積極性や偶然の機会に依存した関係構築は、今の時代、全員に期待できるわけではありません。

横や斜めの関係構築が、有志の会に依存していては組織として不安定です。体験談が示す「頼れる関係の価値」を、偶然に任せず意図的に設計することが、今の組織には求められているのではないでしょうか。

関連記事:この記事では横断プロジェクトで実感した関係構築の重要性に絞って解説しました。職場コミュニケーション全体の課題や改善策を整理して知りたい方は、職場コミュニケーションの全体解説記事もあわせてご覧ください。

社内のつながりを設計する社内交流プログラム「ツドウ・バ」では、部門を越えた関係構築を支援しています。まずはお気軽にご相談ください。

堀内裕樹

堀内裕樹

株式会社ROOKIE 代表取締役

2014年 トヨタ自動車株式会社 入社
営業企画・マーケティング部門に所属。新型カローラの立上げではPJリーダーとして、営業・マーケ・生産管理・技術・商品企画・広報等、多数の部署を取りまとめて事業推進。

2021年 ベイカレント・コンサルティング 入社
住宅メーカー・空調メーカー・電力会社等、幅広い企業の新規事業企画・推進を支援。

2023年 株式会社ROOKIE 創業
大手企業社員の副業・越境支援を展開するとともに、JTC越境コミュニティを運営。累計300名以上が参加する交流イベントを多数主催し、職場や組織を越えたつながりづくりの実践知を積む。大手IT企業において、グループ会社を含めた組織横断の人材交流・育成プログラムを推進。これらの経験から、事業開発の成否は組織図を超えた現場の連携にあると確信し、職場コミュニケーション活性化施策「ツドウ・バ」をローンチ。

専門家メディア「マイベストプロ」(運営:朝日新聞)掲載 → https://mbp-japan.com/tokyo/rookie-horiuchi/

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