モリンガは肝臓の健康促進に役立つ?働きを助ける成分について解説!

モリンガは、豊富な栄養素を含むスーパーフードです。では、人間の内臓に部分的な働きを期待できるのでしょうか。今回はモリンガの摂取による、内臓の一部「肝臓」の健康促進について解説します。管理栄養士の視点をもとに真相を解説するので、ぜひ最後まで読み進めてください。
※ モリンガに含まれる成分については、以下のページで詳しく解説しています。
「モリンガが奇跡の⽊といわれる理由とは?なぜいま注目されるのか」
モリンガの摂取は健康促進に役立つ?

モリンガの摂取は、肝臓の健康促進に与える影響を調査および考察しました。モリンガには、抗酸化作用があるなどの研究結果が記載された論文などが参考になります。
論文の内容からは、モリンガが「肝機能の働きにプラスに働く可能性は否定できない」と判断できます。ただし、医学的に「モリンガの肝臓への健康促進作用」を明言している公的機関はないのが現状です。
しかし、ヒトではなくマウスによる研究結果によれば、日本農芸化学会2018年度大会において、株式会社ファーマフーズの研究チームから「モリンガ葉抽出物が脂肪肝を予防する効果を有する」との報告がありました。モリンガの肝臓への健康促進作用に関しては、今後の研究の進展に注目されるでしょう。
※出典:
日本食品科学高額会誌「モリンガ葉のスギ花粉アレルゲン誘発好酸 球集積に対する抑制作用」
公益社団法人日本農芸化学会「日本農芸化学会大会講演要旨集(2018年度版)」
モリンガの摂取による肝臓への負担

モリンガは、摂取することで肝臓へ負担をかける食材ではありません。モリンガに限らず一般的に、「これを食べたら肝臓に直接負担がかかる」といった食べ物は特定できないと考えられます。
肝臓などに負担をかけるのは、特定の食べ物ではなくその「食べ方」にあります。つまり、栄養バランスの偏った食事が原因と考えられるでしょう。
例えば糖質の多い果物ジュースや菓子パン・揚げ物などは、脂質の摂り過ぎにつながります。他には、アルコールの摂取量が過剰になると肝臓に負担がかかりますね。
これらの理由から、モリンガを適量の範囲内で摂取することによる直接的な肝臓への負担は考えにくいと言えます。ただし、サプリメントなどによる継続的な摂取の場合は、1日の用量を守って計画的に摂る必要があります。
実際に、厚生労働省の調査では、成人女性の約4割、成人男性の約3割が健康食品・サプリメントを日常的に使用しているとされています。正しく活用する上では問題ありませんが、過剰摂取などが原因で肝臓に負担をかける可能性は否定できないでしょう。そのため、注意が必要です。
また、もともと肝臓に疾患がある方の場合は、モリンガの成分が代謝に影響を与えることも考えられるため、事前に医師などへの相談をおすすめします。
※出典:厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」
肝臓への好影響が期待される成分

モリンガの葉に含まれる成分のなかには、以下のような肝臓の働きに良い影響を期待できるものもあります。
- 良質なたんぱく質
- ビタミン類
- 食物繊維
※参考:
農林水産省「選定企業②:Moringa Moçanbique, Lda 4.1 企業概要」
熱帯農業研究「ワサビノキ(モリンガ)の種子・葉に含まれる有用成分と その 多目的利用」
※上記で紹介した「良質なたんぱく質」は、以下のページで詳しく解説しています。
「モリンガに含まれるアミノ酸とは?効能や摂取によるメリットを解説」
モリンガにも含まれている良質なたんぱく質は、肝臓の細胞再生や機能回復のために重要な栄養素とされています。
また、肝臓が正常に働くためにはビタミンが欠かせません。特に抗酸化作用をもつビタミンCとビタミンEは積極的な摂取がおすすめです。
※参考:全国健康保険協会「肝機能が気になったら 千葉県|健康診断で「肝機能に異常がある」と言われたのですが 」
さらに、食物繊維は腸内環境を整えるだけでなく、糖質・脂質の吸収を緩やかにすることで、結果的に肝臓への負担を減らすことが期待される成分です。脂肪肝の改善もサポートするといわれています。
※参考:日本臨床薬理学会学術総会「食物繊維摂取欠乏が肝臓の脂肪蓄積へ及ぼす影響」
モリンガに含まれる肝臓に良い成分は毎日摂取すべきか

モリンガに含まれる肝臓に良い成分は、日々の生活でどのように摂取すべきでしょうか。肝臓に良いとされる成分は、肝臓の働きだけでなく、あくまでも健康維持の目的で日々適量を継続的に摂取することは良い習慣になると言えるかもしれません。
ただし、薬のように「必ず毎日摂るべき」とは言い切れないでしょう。特定の食品を多く摂取することは、何らかの過剰摂取にもつながります。持病のある方は、主治医と相談することが必要です。サプリメントで摂取する場合は、1日の用量を必ず守りましょう。
記事監修者
![]() 松浦 ひとみ 管理栄養士・食生活アドバイザー・栄養教諭 | 保育園栄養士として食育や献立作成・離乳食・アレルギー対応等を経験。独立後は、個別食事指導や記事監修/執筆をはじめ、セミナー講師・メニュー開発・フード撮影等、幅広く活動中。 |