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適正仕様/販価を決める際の観点:第5回

第4回では、仕様・販価企画~企画初期段階~について解説してきました。
今回は、仕様・販価企画を決めるにあたっての具体的な観点を説明していきます。

適正仕様/販価を決める際の観点

仕様/販価を決めるにあたっては、大きく3つの観点があります。

①現行品との関係

既にある商品の新型として新商品を出す場合、現行品との関係は非常に重要です。
なぜなら現行品を購入いただいているユーザーもターゲットの1つとなり得るからです。

・現行品からどういう進化を遂げたのか
・それがいくらで提供されるのか
・結果的に魅力的な商品強化になっているのか

によって現行品ユーザーの買い替え需要は大きく左右されます。

②競合との関係

こちらは言うまでもありませんね。競合との関係は抑えなければなりません。

競合というと「他社」のイメージが強いと思いますが、時には「自社」の他商品*かもしれません。
*明星食品様は、社内の”一平ちゃん”チームと”チャルメラ”チームがバチバチに競い合って双方売上を伸ばしているそうです。

・競合との仕様差(機能差)は何か
・競合との価格差はいくらか
・結果的にそれはユーザーにとって魅力的で競争力があるものになっているか

いまや比較サイト、AIの活用等、一般消費者が商品を購入する際、競合比較をして購入することは当たり前になっています。だからこそ、一般消費者が実感できる範囲で競合商品より魅力的でなければなりません。

➂グレード間の関係

ここは意外と見落としがちです。
グレード間とは何か、以下に例を示します。

トヨタ 自動車→Z(上級グレード)、G(標準グレード)、X(エントリーグレード)・・・
ネピア ティッシュ→鼻セレブティッシュ、ネピアティッシュ、ネピアネピネピティッシュ・・・
ユニ・チャーム おむつ→ナチュラルムーニー、ムーニー・・・

ほとんどのメーカーが、複数の商品ラインナップを持っています。プレミアムグレードとエントリーグレード、スポーツグレードと基本グレード等、各グレード間の関係をしっかりを整理する必要があります。ここをうまく設計することが、ユーザーの拡大や収益状況にも大きく関わってくるので、非常に大事なポイントです。

試しに「グレード差」って検索してみて下さい。
自動車のグレード比較がずらりと並ぶはずです。
自動車メーカーやユーザーがいかにこの点を重視しているかが一目瞭然です。

いかがでしたでしょうか?
当たり前のことのようですが、
競合比較はしているが、現行品やグレード間はきちんと見ていない・・なんてケースも非常に多いです。

次回は、トヨタ式はしごを使った適正仕様/販価の決め方について解説していきます!


まとめ:コンセプトを適正仕様/販価に落とし込むこのプロセスが、商品の運命を決める。

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