モリンガを乾燥させる理由|その方法と時間設定について解説

収穫したモリンガから品質の良い葉のみを選別する作業は、単なる見た目に対しての仕分けが目的ではありません。モリンガが含む豊富な栄養素を低下させない目的もあります。
モリンガの選別について解説している記事では、モリンガ農家の方による「選別は手間がかかる作業」という点を紹介しました。
※「モリンガの選別|収穫後のモリンガに欠かせない重要なポイントとは?」
選別したモリンガは、次の工程として「乾燥」の処理を行います。ここでは、モリンガの乾燥について、モリンガ研究所の方やワダツミ農園株式会社の方の専門的な見解を解説します。モリンガが家庭に届くまでの作業を知る機会にしてください。
選別したモリンガを乾燥させる理由

収穫したモリンガを選別した後に乾燥させる理由は、長期保存にあります。
モリンガ研究所の方によるモリンガを乾燥させる理由
モリンガ研究所の方によると、モリンガを乾燥させる理由は、「保存が長くきくようになる」とのことです。また、蒸散が激しいので、すぐに乾燥させることが大事だともいわれています。
ワダツミ農園株式会社の方によるモリンガを乾燥させる理由
ワダツミ農園株式会社の方によると、モリンガを乾燥させる理由は、乾燥させないと蒸散してしまうからといわれています。食品乾燥に特化した工場において、蒸散させずに乾燥させることがポイントになります。
蒸散とは
蒸散とは、水が水蒸気として植物の体内から大気へと拡散する状態のことです。植物が保有する水分を大気中に拡散していくイメージになります。
※出展:日本光合成学会「蒸散-光合成事典」
モリンガを乾燥させる方法

モリンガの乾燥させる方法について、モリンガ農家のワダツミ農園株式会社の方より可能な範囲でお話を伺いました。
ワダツミ農園株式会社では、日本茶製法で乾燥させるとのことです。具体的には、モリンガを一回ブランチングします。
- モリンガをお湯で煮る
- モリンガに蒸気をあてる
これらの工程を踏まえたモリンガは、サウナに入ってるような感じで70度で乾燥させます。モリンガがサウナ浴するイメージですね。
ブランチングとは、野菜などの食用植物を調理加熱するのではなく、品質を保った状態で加熱処理する加工方法です。冷凍野菜などを加工する際に活用します。
※出展:農林水産省「冷凍野菜のサイエンス」
モリンガの乾燥に必要な時間

モリンガは、適切な環境でゆっくりと乾燥させる必要があります。モリンガの乾燥に必要な時間は、それぞれのモリンガ農家の乾燥方法が異なるため、時間にも違いがあります。
モリンガ研究所によるモリンガの乾燥時間
モリンガ研究所によると、モリンガの乾燥は乾燥機の温度40度の設定で19時間をかけて行います。ほぼ1日がかりで乾燥するイメージです。
ワダツミ農園株式会社によるモリンガの乾燥時間

ワダツミ農園株式会社によると、モリンガの乾燥は1〜2時間ぐらいだそうです。モリンガは、温度を上げると色が変わってしまうので、低温でじっくり乾燥させることがコツだと伺いました。
ワダツミ農園株式会社では、55℃の熱風処理後のモリンガを4段階の工程で乾燥させています。

- ネット乾燥第1工程10分:110℃風量70%・100℃風量65%
- ネット乾燥第2工程14分:100℃風量65%・95℃風量65%
- ライン乾燥第1乾燥50分:70℃
- ライン乾燥第2乾燥24分:65℃
参考資料:ワダツミ農園株式会社令和7年4月1日作成「モリンガ乾燥チップ原料規格書」
モリンガの乾燥は、温度と時間の設定により低温でじっくりと乾燥させることで豊富な栄養素を保たせた状態が維持できると判断できます。