モリンガのトリプトファンについて|含有で期待できる摂取効果を解説

モリンガには、トリプトファンは含まれているのでしょうか。その回答を管理栄養士の視点で、解説します。また、トリプトファン含有で期待できる摂取効果なども紹介するので参考にしてください。
モリンガにはトリプトファンが含まれている?

モリンガには、必須アミノ酸が含まれているという報告は確認されています。トリプトファンは必須アミノ酸の一種であるため、含まれていると予想できる状況ではあるものの、具体的な含有量は明記されておりません。
NCBI 国際食品科学誌の研究報告には、モリンガの葉(粉末)に含まれるアミノ酸の種類と含有量が記載されています。モリンガには必須アミノ酸9種類が含まれるとされていますが、ここではトリプトファンのみ記載のない状況です。モリンガに「トリプトファンがどの程度含まれているか」は、今後の報告を待ちましょう。
※参考:NCBI 国際食品科学誌「モリンガオレイフェラは、健康に良い可能性のある栄養素の優れた供給源です」
トリプトファンとは

トリプトファンは、人間のカラダを形成する要素として欠かせない「必須アミノ酸」のひとつです。
※アミノ酸については、以下のページでくわしく解説しています。
「モリンガに含まれるアミノ酸とは?効能や摂取によるメリットを解説」
トリプトファンは、体内で作ることができないため、食事などから毎日きちんと摂る必要があります。トリプトファンで特に注目したい点は、トリプトファンが「セロトニン(幸せホルモン)」の材料になる唯一のアミノ酸という点です。セロトニンは気持ちを落ち着かせたり、ストレスを和らげたりする働きがあります。
さらに、トリプトファンはセロトニンからつくられる「メラトニン(睡眠ホルモン)」の原料にもなるため、心と体のリズムを整える上でも大切な役割を果たしています。
こうした視点からみると、トリプトファンは心と体の安定に深く関わるアミノ酸とも言えるでしょう。毎日の食事や必要に応じたサプリメントの活用で、意識して取り入れることがポイントです。
出典:山梨県厚生連「セロトニンを増やす方法とは?トリプトファンを含む食品と効果的な食事法」
トリプトファンを毎日摂取した場合

トリプトファンは、適量を摂取することで、精神を落ち着かせ不眠やうつ病などの解消を促してくれます。また、トリプトファンは体内で合成されない必須アミノ酸であるため、むしろ毎日摂取しなければなりません。要するに、日常的に摂取したほうが良い栄養素ですね。
ただしトリプトファンの過剰な摂取や、病気に伴う服薬などとの組み合わせは、副作用を起こす可能性もあります。そのため、適量を意識することが大切です。
出典:山梨県厚生連「セロトニンを増やす方法とは?トリプトファンを含む食品と効果的な食事法」
トリプトファンを摂取できる食品

トリプトファンは、以下の食品に多く含まれています。
- レバー:牛・豚・鶏肉
- 魚類:かつお・まぐろなど
- 大豆製品:豆腐・納豆・味噌・きな粉など
- 乳製品:チーズ・牛乳・ヨーグルトなど
- 穀類:米など
- その他:ごま・ピーナッツ・卵・バナナなど
トリプトファンは、肉や魚にも含まれています。ただし、BCAA(分岐鎖アミノ酸)」という成分が、トリプトファンの取り込みの妨げになるとも考えられています。そのため、植物性の食品により摂取すると、より効果を得られやすいでしょう。
また、トリプトファンはビタミンB6を含む食品を一緒にとると、より高い効果が期待できます。そのため肉や魚を食べる場合は、組み合わせを意識することも大切です。
【ビタミンB6を含む食品の例】
- 鮭・さば・さんま など
- 低脂質の肉(鶏むね肉・ささみ など)
- 酒粕、抹茶、ごま など
出典:山梨県厚生連「セロトニンを増やす方法とは?トリプトファンを含む食品と効果的な食事法」
トリプトファンを摂取できるメニュー

ここでは、参考までにトリプトファンを摂取するためのメニューを紹介します。
⓵まぐろのチーズかつ
トリプトファンが豊富なまぐろとチーズを使用した相性抜群の一品です。実は、まぐろはビタミンB6も摂れる食材のため、手軽に効果を得られやすいでしょう。
②きな粉の唐揚げ
トリプトファンの摂取による効果をアップできるビタミンB6を含んだ鶏むね肉を利用した一品です。小麦粉や片栗粉の代わりにトリプトファンが摂れるきな粉を使うことで糖質量を抑えることも可能です。
マグロのチーズカツや鶏むねをきな粉で揚げるメニューなどに、モリンガの葉のサラダなどを添えてみるのも、栄養価アップには有効ですね。
記事監修者
松浦 ひとみ 管理栄養士・食生活アドバイザー・栄養教諭 | 保育園栄養士として食育や献立作成・離乳食・アレルギー対応等を経験。独立後は、個別食事指導や記事監修/執筆をはじめ、セミナー講師・メニュー開発・フード撮影等、幅広く活動中。 |