ワサビノキってどんな木?ワサビとの違いや特徴について解説

モリンガは、ワサビノキ科の植物というだけではなく、モリンガの和名としてワサビノキと呼ばれています。世界各国の温暖な地域で栽培でき、それぞれ呼び方が異なります。
では、モリンガという呼び名が定着する前にワサビノキが「どのように知られていたか」について解説しましょう。
モリンガはワサビノキ

ワサビノキは、モリンガの和名として使われていました。資料としては、2004年(平成16年)に厚生労働省が公開した食用の植物の紹介が残されています。
- 学名:Moringa oleifera(モリンガ・オレイフェラ)
- 別名:Horse-radish Tree、Kelur、Drumstick Tree、Ben nut
- タカログ語:Malungai
- ヒンズー語:Sanjanaa
- 和名:ワサビノキ
※出典:厚生労働省「Moringa oleifera(いわゆるモリンガ、ワサビノキ※)について」
※参考:FLORA & FAUNA WEB「Moringa oleifera Lamk – National Parks Board (NParks)」
モリンガは、学名以外にさまざまな呼び名があります。日本では、ワサビノキとして認知され、スーパーフードとして評価されるようになってからモリンガという呼び方が定着し始めています。
ワサビノキはなぜワサビノキと呼ばれるのか

ワサビノキがなぜワサビノキと呼ばれるのでしょうか。ワサビノキは、家庭やお店で使うワサビが生えている木ではありません。一般に知れ渡っているワサビ(山葵)とはまったく異なるものです。
ワサビノキは、根にピリッとした香味がある植物。そのため、ワサビのような印象があって名づけられたとも考えられます。
※出典:厚生労働省「Moringa oleifera(いわゆるモリンガ、ワサビノキ※)について」
ワサビノキとワサビの違い
ワサビノキとワサビは、木と草という違いがあります。つまり、それぞれの属する科が異なるため、違う植物として扱われます。
ちなみに、ワサビはアブラナ科の草の一種です。春になると四弁の小さな白い花を咲かせます。また、日本のワサビは緑色ですが、西洋ワサビは茶色いイメージで大根のような形状です。日本では北海道などで栽培されています。
ワサビノキの特徴

では、ワサビノキ(モリンガ)の特徴について解説しましょう。
- 高さが5m~10mほどに成長する木
- 花が黄白色
- 種子には多数の羽がある
- 空気中で拡散する
- 若菜は柔らかい(食用可)
- 根に辛味がある
- 種子からはベン油(長期貯蔵可能)を採取可能
種子から搾り取ったベン油は、次の材料として活用します。
- 時計油:時計用部品の潤滑油として使用
- 絵画材料:絵の具や顔料など
- 香油原料:植物性オイルに混合する香油
※参考:筑波実験植物館「植物図鑑」
ワサビノキの特徴を振り返って

ワサビノキは、名前が似ているワサビとは異なる属性の植物です。共通している部分は、ワサビというだけに「辛い」という点。
ただし、ワサビノキの根の辛さはひとつの特徴に過ぎません。ワサビノキ(モリンガ)は、栄養価の高いスーパーフードです。
ワサビノキから抽出した食用部分だけを摂取するだけでカルシウムや鉄分、食物繊維、ビタミンC、炭水化物など多くの栄養素を補給できます。
モリンガは、そのメリットがあるからこそ、サプリメントやパウダーなどに加工して補助食品として活用されているわけです。とくに、自炊が難しい人には手っ取り早い栄養補給の方法になりますね。