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商品企画お役立ち情報

商品企画とは|前提整理(市場/自社/競合分析)【第2回】

前回、「商品企画とは、市場の動向や顧客が求めているものを調査し、その調査データをもとに新商品や既存商品の改良などの企画を立てること」としました。

第2回は、商品企画において最初に取り組むべき前提整理(市場/顧客・自社/競合分析)について詳しく解説します。それぞれの分析における目的や進め方、最適な手法などを紹介しますので、製造業の商品企画担当の方は、ぜひ参考にされてください。

①市場分析

商品企画の前提整理は、市場分析から始めます。

目的

市場規模とは、「ある特定の市場における、1年間の取引総額(売上)の合計(業界全体の売上)」を指します。これを特定することで、企業は、「自社商品が特定の市場でどれだけの収益を生み出せるか」を把握できます。市場分析の調査結果は、その市場への参入の判断材料になるでしょう。まずは、お客様が求めている(売上が上がり、収益を見込める)市場を絞り込む必要があります。市場分析の目的は、参入すべき市場の絞り込みです。

STEPと手法

市場分析は、下記STEPにて進めます。

1. 企画する商品の「対象市場」を定義

ここが企画の出発地点なので、とても重要なパートです。
自社が戦うべき市場領域を定義し、競争優位性と勝ち筋を明確化します。

対象市場の定義は、市場をセグメンテーション(属性・特性等でグループ化)し絞り込むイメージです。そのうえで、対象市場の現状について対象市場の実績や予測値などを用いて客観的に調査します。
下記にいくつか手法をご紹介します。

TAM,SAM,SOM

TAM、SAM、SOMを使った市場規模の分析もできます。TAM、SAM、SOMは、3つの視点で市場規模を分析する手法です。

STP分析

STP分析は、3つの分析手法を組み合わせた手法です。

  • S(セグメンテーション):市場を属性ごとにグループ分けする
  • T(ターゲティング):細分化したグループから自社ビジネスを訴求すべきターゲット層を決定
  • P(ポジショニング):ターゲット層に対してどのような差別化された価値を提供するのかを決める

STP分析では、自社ビジネスが戦うべき市場をさらに、実現性の高い市場へと絞り込みます。市場の魅力度や自社の強みと親和性を踏まえて、ターゲット層が「勝てる市場なのか」という点で考察します。そのうえで、顧客が自社商品を選ぶ理由を明確化することがポイントです。

2. 公開情報をリサーチ

対象市場が定義できたら、次にその市場に関する信頼性の高い公開情報を可能な範囲で徹底的に収集します。

  • 官公庁公開の統計データ
  • 企業が公的に公開する業務レポート
  • 市場動向に関する専門的な文献など
  • リサーチAI

特に最近では、”探す”の部分はAIを活用し、効率的に実施することができるようになっています。
しかしながら、デジタル化されていない現場の生声や感覚といった部分を基に情報を”作る”能力は、今なお重要な部分です。

出所:宮尾大志著(2022年)『外資系コンサルのリサーチ技法』東洋経済新報社発刊

3. 市場規模の推定

ただし、欲しい情報がいつも見つかるわけではありません。時には、限られた(知っている)情報を組み合わせ、時には市場規模を“推定”することも必要になります。

フェルミ推定

フェルミ推定は、一般的に正確な数値を算出できない対象データに対して、その対象となるデータに関連する情報で論理的に推定する手法です。

②自社/競合分析

前提整理では、市場規模を明確化したうえで自社・競合分析を行います。

目的

自社・競合分析を行う目的は、「自社の商品が市場でどのような立ち位置にあるのか」を把握し、差別化や優位性を明確にすることです。

顧客は、購入時にいくつかの類似商品を比較検討します。商品企画者は、いくつかの競合製品の仕様・価格・機能・デザインなどを把握することで、自社商品の強み(USP:Unique Selling Proposition)や弱点を客観的に見極められるでしょう。

また、自社・競合分析は競合の動向を踏まえることで、市場に不足するニーズや訴求ポイントの発見につながります。発見したニーズや訴求ポイントは、自社商品の仕様や価格設定に活かすことが可能です。結果として、戦略的で説得力のある商品企画が実現します。

STEPと手法

自社・競合分析では、市場・顧客調査を次のようなステップで進めます。

  1. 比較先(競合製品)の選定:市場シェア・顧客分析に基づいて比較対象となる製品
  2. 比較項目の整理・調査:顧客が対象商材を選ぶ際の「着目」「重視」している項目を洗い出す
  3. 自社製品の強み(USP)・弱みの特定:項目ごとの内容を比較し、自社の強みや弱みを特定

自社・競合分析では、自社の強みと弱みの部分を特定できます。そのためには、自社製品と競合他社の製品を比較し、それぞれの特徴を整理する必要があります。

まとめ:商品企画は前提整理で得た情報をもとに進めよう


今回は、商品企画を進めるにあたって重要な「前提整理」について解説しました。前提整理は、自社製品を開発する前に必要な事前調査として欠かせない取り組みです。商品企画では、市場規模や競合他社の状況、自社の内部状況などをすり合わせて進める必要があります。前提整理は、企画立案の参考情報として役立つでしょう。

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