モリンガに含まれる鉄は豊富?その効果や不足した場合について解説!

栄養成分が豊富なモリンガは、鉄も含まれています。本記事では、モリンガに含まれる鉄の量や効果について解説します。
モリンガに含まれる鉄の量

モリンガは、ミネラル成分の一種である鉄が含まれており、その含有量は次の通りです。
- 生葉(は):4.00㎎/100g
- 生莢(さや):0.36㎎/100g
※参考:熱帯農業研究「ワサビノキ(モリンガ)の種子・葉に含まれる有用成分と その 多目的利用」
モリンガに含まれる鉄は豊富
モリンガの鉄含有量は、豊富と言えます。モリンガと同程度の鉄含有量である食品には、あさりやいわし、がんもどきなどがあります。
モリンガは、葉物野菜で比較すると、ほうれん草やカブの葉の約2倍の鉄を含んでいる食品です。
※参考:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
ミネラル成分の一種である鉄は、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」に分類できます。ヘム鉄は、たんぱく質と結合している性質から肉や魚などの動物性食品に含まれています。肉や魚以外に含まれている鉄は、非ヘム鉄に分類され植物性食品に多く含まれています。そのため、植物であるモリンガに含まれる鉄は、非ヘム鉄に分類されるでしょう。
ちなみに鉄は、以下の栄養素と一緒に摂取することで吸収率のアップが期待できます。
- たんぱく質
- アミノ酸
- ビタミンC
非ヘム鉄は、一般的に吸収されにくい栄養素と考えられています。そのため、一緒に食べる食品(栄養素)を工夫することで、吸収率を高められます。
吸収率といった観点で捉えた場合は、モリンガの豊富な栄養素は非ヘム鉄との相性が抜群です。モリンガは、鉄の吸収を助けるたんぱく質やアミノ酸、ビタミンCも一緒に含んでいるため、吸収を助ける成分を含めて豊富な栄養素を一度に摂れる効率的な食品と言えます。
※参考:公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「ミネラル成分の鉄分の働きと1日の摂取量」
鉄の効果

ミネラル成分の一種である鉄が、私たちのカラダに与える影響としては、次の効果が期待できます。
①貧血予防に役立つ
効果のひとつとして、鉄が貧血予防に役立つという特徴はよく知られているでしょう。人間のカラダにある鉄は、血液中の赤血球の約70%の割合で含まれているとのことです。赤血球に含まれる鉄は、「ヘモグロビン」という成分の材料になります。
ヘモグロビンは、肺で取り込んだ酸素を全身の細胞や組織に届ける役割を担っているため、鉄が不足すると酸素運搬がスムーズにできず、貧血を引き起こす原因になります。
さらに、鉄は筋肉の中にある「ミオグロビン」というたんぱく質の材料にもなるため、筋肉へ酸素を取り込むためにも必要不可欠です。
②疲労回復に役立つ
鉄は、疲労回復にも役立ちます。人間は、運動をすると通常より多くの酸素が必要になります。しかし、鉄が不足していると酸素の供給が追いつかず、疲れやすくなるでしょう。鉄は、疲れやすいタイプの人にとって疲労回復の効果をもたらす栄養素です。
鉄が不足した場合

鉄が不足した場合は、体内で酸素を運ぶ役割をしている「ヘモグロビン」が減少します。その結果、酸素がうまく全身に届けられず、カラダはエネルギー切れのような状態になります。要するに、「鉄欠乏性貧血」と言われる状態です。
たとえば、人間は脳に酸素が届きにくくなると、「ぼーっ」として集中力が低下したり、頭痛が起きたりします。
また、筋肉にも酸素が届きにくくなるので、いつもより階段の上り下りが辛く感じたり、ちょっと動いただけで疲れやすくなるでしょう。
さらに、鉄が不足することで食欲が落ちることもあります。
「なんとなく食べたくない」
「だるい」
などといった、目に見えにくい不調も考えられます。
鉄をたくさん摂取できるレシピ
ここでは、鉄を豊富に摂取できるレシピを紹介します。使用する葉物をモリンガに置き換えてアレンジしてみることも可能です。
鯖とほうれん草の和風スパゲッティ
【材料(2人分)】
- スパゲッティ …200g
- 鯖水煮缶 …1缶(190g)
- ほうれん草 …100g
- にんにく …1片
- 赤唐辛子(輪切り) …適量
- 塩 …小さじ1
- オリーブ油 …大さじ1.5
- 白だし …大さじ1
【作り方】
1.鍋に1.5Lの湯を沸かし、塩(分量外)を入れてスパゲッティを茹でる。 ※茹で汁はおたま1杯程度とっておき、1分程早めに茹で上げる。
2.フライパンにオリーブオイルと、みじん切りにしたにんにくを入れ中火にかけ炒める。
3.②の香りがたったら汁気を切った鯖缶、3cm幅にカットしたほうれん草の順に、さっと炒める。
4.①の茹で汁を加え、1分程加熱する。
5.スパゲッティを入れ、白だしをかけて、素早く混ぜる。
6.塩で味を整え器に盛り付けて完成。
【栄養ポイント】
このレシピは様々な食品から鉄を摂取できる点がポイントです。鯖は、鉄も含み良質なたんぱく源となります。そこに、モリンガの葉で代用可能なほうれん草を組み合わせることで、鉄分を効率よく吸収できます。
記事監修者
![]() 松浦 ひとみ 管理栄養士・食生活アドバイザー・栄養教諭 | 保育園栄養士として食育や献立作成・離乳食・アレルギー対応等を経験。独立後は、個別食事指導や記事監修/執筆をはじめ、セミナー講師・メニュー開発・フード撮影等、幅広く活動中。 |